夏になると、お風呂場の壁や天井にハートをさかさにした様な黒い小さな虫がとまっていることってありませんか?
それは「チョウバエ」という害虫です。
見た目が不快なだけでなく、やっかいな病気の原因になることもあるんですよ。
知らないうちに大繁殖して、駆除しても駆除しても発生してしまうチョウバエ。
効果的に駆除する方法や、発生を予防する方法をご紹介します。
「チョウバエ」ってどんな虫?
「チョウバエ」は、「チョウ」に「ハエ」という名前が付いてはいますが、実は蚊と同じハエ目カ亜目に属する昆虫です。
日本にいるチョウバエは約60種にも上りますが、特に多く見られるのが体長4~5mmで灰黒色をした逆ハート型の「オオチョウバエ」と、オオチョウバエの色を少し薄くして小さくしたような体長1mm程度の 「ホシチョウバエ」の2種類です。
お風呂場はもちろんトイレや台所など水回りに見られ、主に壁などにとまる習性があります。
チョウバエは生まれて2週間程でさなぎとなり、成虫になってからの寿命は4~14日程度です。しかし、その短い間に1匹あたりになんと200個もの卵を生むとされています。
壁に無数にとまっている姿が不快だというだけにとどまらず、万が一卵や幼虫が人間の泌尿生殖器や消化器、眼瞼などに入ってしまった場合、腹痛や下痢などを引き起こすハエ症となってしまう恐れもあります。
ハエ症はすぐにも命に危険のある病気ではありません。それでも体内に虫の卵や幼虫が入り込むなんて、想像もしたくありませんよね。
チョウバエを駆除する方法
チョウバエは水気と汚れのあるところに発生します。具体的に、屋内で発生源となりがちな場所といえば、トイレやお風呂、洗面台の排水口やユニットバスのエプロンの内側などです。
また、屋内を飛んでいる成虫も今後繁殖してしまうかもしれませんので、次に紹介する方法で卵や幼虫と成虫、すべてを一網打尽にする必要があります。
発生源に熱湯を掛ける
チョウバエは水気は大好きですが、熱湯は苦手です。
そのため、チョウバエの駆除のためには、まず排水口などのチョウバエの発生源に熱湯を流しかけましょう。
特に、普段お掃除をしていないことの多い浴槽の下には、湯垢や髪の毛などがヘドロ状になって溜まってチョウバエの繁殖場所となってしまっていることもありますので、浴槽にエプロンがついているものは、エプロンを外して中に熱湯を流し込み、幼虫を撃退しましょう。
一度では駆除しきれなくても、何度も繰り返すことで幼虫を駆除すると同時にチョウバエが暮らせない環境を作ることができます。
幼虫の発生源を徹底的に掃除
いくら熱湯を流し込んでも、汚れがそのままではまたチョウバエが集まってきてしまいます。
エプロンの内側や排水口、配水管などはできる限りきれいに掃除しましょう。
配水管は、パイプマンやパイプフィニッシュといった、配水管専用の液体洗浄剤を使用すると良いですよ。
ただし、液体洗浄剤は何度も使用すると配水管を傷めてしまう恐れもありますので、あまり頻繁に使用はできません。
殺虫剤やハエ取りシートを使う
幼虫の駆除には、幼虫が成長するのを阻害する成分が含まれている「昆虫成長制御剤(IGR)」という幼虫駆除剤がおすすめです。
チョウバエの発生源が判明している場合には、マスクなどで喉と目を保護した上でチョウバエの発生源に向かってIGRを散布しましょう。
成虫には、お風呂を使用していない時間にハエ取りシートを設置して捕獲します。
チョウバエの発生を予防しよう!
今いるチョウバエを駆除できたら、次は発生を予防することが大切です。
チョウバエは水気と汚れが大好きなので、入浴後は窓を開けたり換気扇を回してしっかり浴室内を乾燥させ、空気が循環するようにしておきましょう。風呂桶や洗面器などに水が溜まっていないようにすることも忘れずに。
チョウバエが好みそうな場所に熱湯をかけてから浴室を出る習慣を付けるのも効果的です。
また、月に2回程度しっかりと掃除を行い、エプロンの中や排水口・配水管もキレイにしておくと、チョウバエが好む環境がが出来上がるのを防止し、発生の予防になります。
チョウバエの家への侵入を予防しよう!
自宅内での駆除・予防がしっかりされていても、屋外からチョウバエが入ってくることがあります。
特に、チョウバエの繁殖期である6~9月は要注意。
屋外に洗濯機や傘立てなど水の溜まりやすいものを置いていたり、近くに落ち葉が積もっている場所や側溝、排水路など水のある場所があれば、チョウバエをはじめとする害虫は簡単に発生します。
放置されているタイヤや植木鉢の水受けなども、水が溜まりやすいので注意しましょう。
チョウバエは体長1mm~5mmです。ほんの少しの隙間からでも簡単に侵入できるので、窓を開ける場合はしっかり網戸をして、網戸や窓、ドアに隙間ができている場合は、きちんと修理してください。
非常に繁殖力が高く、普段目に付かない場所で気付いたときには大量発生してしまっているチョウバエ。
「乾燥と清潔」を合い言葉に、定期的な掃除と毎日の乾燥でチョウバエの生きにくい環境を作り、網戸などで屋外からの侵入も防いで、快適なお風呂場をキープしましょう。