妊娠すると、体にいろいろな変化が起こり、戸惑うことも多くなります。妊娠初期は赤ちゃんが著しく成長する時期なので、食事などに気を遣う必要があります。ここでは、妊娠初期に摂るべき食べ物をご紹介いたします。
どんな栄養素が必要？
妊娠すると、へその緒を通して赤ちゃんに栄養や酸素が届けられます。元気に成長するために、食べ物には気を配りたいですね。妊娠初期はつわりの症状もあらわれる時期ですから、食生活にも変化が出ますが、必要な栄養素は意識して積極的に摂取しましょう。
鉄分
妊娠初期に限らず、女性に不足しがちな鉄分。妊娠初期には赤ちゃんの成長に伴い、これまで以上に意識して鉄分を摂取しなければいけません。妊娠が進むにつれて、循環する血液の量も増えるので、鉄分もたくさん必要になります。鉄分が不足すると、貧血や食欲不振、無気力といった症状があらわれます。
特に妊娠前から貧血気味を指摘されている方や、貧血の自覚がある方は要注意です。一般的な女性の鉄分の推奨摂取量は、1日6mg～6.5mgです。妊娠初期では8.5mg～9mgの鉄分摂取が理想です。
カルシウム
カルシウムも女性が不足しがちな栄養素で、不足すると骨折や骨粗しょう症の原因にもなります。妊娠初期だからといって必要以上に摂取する必要はありませんが、将来のことを考えるとやはり積極的に意識しておきたい栄養素です。カルシウムは摂取しすぎると血管障害のリスクが高くなります。カルシウムのサプリメントを利用する場合は、摂取量に注意しましょう。
亜鉛
亜鉛不足は味覚障害や皮膚炎、貧血を引き起す可能性があります。亜鉛は、鉄分同様に妊娠中はプラス摂取がすすめられている栄養素です。亜鉛の摂取量は、1日8gが推奨されていますが、妊娠中はプラス2gの10gの摂取が理想です。
葉酸
葉酸は妊娠中には必要不可欠な栄養素です。葉酸が不足すると神経管閉鎖障害といった先天性障害のリスクが高くなるといわれています。葉酸はいろいろな食品に含まれていますから、バランスの良い食生活を意識していれば不足することはないといわれています。ですが妊娠中はプラス摂取が推奨されているので、葉酸がたくさん含まれている食品や葉酸サプリメントを利用するのがおすすめです。
妊娠初期に摂るべき食べ物
妊娠初期は赤ちゃんの様々な器官が発達する時期なので、栄養不足にならないように注意したいですね。妊娠初期はつわりの時期とも重なるので、赤ちゃんへの影響も気になります。妊娠初期には必要な栄養素が含まれている食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
緑黄色野菜
緑黄色野菜には様々な栄養素が含まれています。妊娠中に摂取したい葉酸も、緑黄色野菜には豊富に含まれています。特にほうれん草やモロヘイヤに豊富です。ほうれん草は鉄分も多いため一石二鳥ですね。
海藻類
わかめやひじきといった海藻類も妊娠初期におすすめの食べ物です。海藻類はカロリーも低いので、妊娠中の体重増加を抑える効果もありますし、鉄分やカルシウム、食物繊維も豊富なので、妊娠中に気になる下痢や便秘にも効果が期待できます。
バナナ
ビタミンが豊富に含まれる果物の中でも、妊娠初期におすすめなのがバナナです。バナナには葉酸が100g中26g含まれていますし、食物繊維も豊富です。しかもバナナに含まれるビタミンB6は、つわりの症状軽減に効果も期待できます。つわりで食事が思ったように摂れない場合にもよいです。
妊娠初期に避けたい食べ物
妊娠初期に摂りたい食べ物もあれば、避けたい食べ物もあります。妊娠初期はお腹の赤ちゃんにとって非常に大切な時期ですから、避けたい食べ物はぜひとも覚えておきましょう。
生もの
お刺身やお寿司が好きという方も多いですが、妊娠中は生ものは避けた方が良いでしょう。生ものにはサルモネラ菌やカンビロパクター菌といった食中毒の原因になる菌が含まれていることがあります。またトキソプラズマは、お腹の赤ちゃんに障害をもたらす可能性があります。
食中毒を起こして激しい下痢を起こすと、子宮収縮へつながる可能性が高くなり、流産や早産の原因につながります。
アルコール
妊娠中にアルコールを摂取すると、胎児性アルコール症候群のリスクが高くなります。アルコールだけでなくカフェインにも注意が必要です。コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインには、赤ちゃんの流産や早産を引き起したり、赤ちゃんの発達を阻害する可能性もあります。
コーヒーや紅茶好きの方は、ノンカフェインのものを楽しみましょう。
塩分
塩分の過剰摂取は、妊娠高血圧症候群の原因になります。妊娠高血圧症候群は、胎児発育不全や胎児機能不全の原因になるため、塩分の多い食事は避けましょう。妊娠中の1日当たりの塩分の摂取量は7mgです。
あまり神経質にならず食事を楽しもう！
妊娠中、特に妊娠初期は、体の変化などによって神経質になりがちです。ですが、あまりに食事内容に神経質になってしまうとストレスがたまってしまいます。ストレスは妊娠中はできるだけ避けた方が良いので、神経質になり過ぎずに食事を楽しみましょう。
