大人でも虫歯になる人は多くいますが、虫歯は何度もできてしまうだけでなく、歯の寿命を縮める原因にもなります。歯が生え始めた時から、できれば虫歯にならないように予防をしたいもの。今回は子供の歯と大人の歯の違い、虫歯を予防するために親が気をつけることについて詳しくご紹介します。
子供の虫歯の特徴は?
虫歯は口の中の細菌が作り出した酸によって、歯が溶かされることで起きる病気のことをいいます。
虫歯になる3つの原因
細菌
ミュータンス菌が、虫歯の原因としてもっとも知られている菌です。口の中に在住しています。このミュータンス菌が歯垢で増殖し、糖質から酸を作ることで、歯を溶かします。
歯の質
人によって、歯の質には違いがあります。歯のエナメル質や象牙質によっては、虫歯になりやすい人もいます。さらに子供の乳歯や生え替わったばかりの永久歯は、ミュータンス菌の出す酸で溶けやすく、虫歯になりやすいといえます。丈夫な歯にするために、歯を作る栄養素をバランス良く摂取することが必要となります。
糖質
ミュータンス菌のエサとなる糖質は、さまざまな食物に含まれるもの、特に砂糖はミュータンス菌が酸を作るために最適な材料であるため、砂糖を多く使ったお菓子や食べ物が虫歯の原因になります。
また子供の虫歯は大人の虫歯とは違いがあります。
子供と大人の虫歯の違い
エナメル質の厚さの違い
大人の歯は表面のエナメル質が固いのですが、子供の乳歯のエナメル質は、大人よりも薄く、永久歯の半分の厚さとされ、虫歯の進行が早いと言われています。
神経の割合の違い
乳歯は生え替わる際に根を溶かすために、神経の割合が大人の歯よりも大きく、歯が溶かされるとすぐに神経にたどり着くため痛みが出るようになります。
歯磨きのしやすさの違い
大人に比べ、子供はあごが小さく、歯ブラシが歯の奥まで届きにくいため、磨き残しが出やすいことから虫歯になりやすいのです。
虫歯の色の違い
大人は茶色や黒といった色で見分けがつきますが、子供の虫歯は白く浮いた感じに見えるため、進行を見落としてしまいがちです。
子供の虫歯ができやすい部分
子供の乳歯で虫歯ができやすい場所を詳しくご紹介します。
奥歯
子供の奥歯と奥歯の間は狭いために、ブラッシングでは十分に汚れが落とせません。また奥歯も噛み合わせの部分の溝に汚れがたまりやすくなっています。
上の前歯
上の前歯の裏側や歯の間もよくできる場所です。飲み物を飲む際に、当たりやすい部分であるためです。
歯茎部分
子供の歯茎は柔らかく、ブラッシングを嫌がることが多いため、歯と歯茎の境目に虫歯ができやすくなっています。また柔らかい歯茎には、食べかすが入り込みやすいことも虫歯ができる原因の一つとなります。
予防のために知っておきたいこと
虫歯を作らないためにも、どんなことで虫歯が進行するのかよく知ってこくことが大切です。
1.母子感染を予防する
赤ちゃんの時には虫歯菌はなく、大人から感染します。唾液が感染の橋渡しとなりますので、食器の共有をしない、大人から口移しでものを与えないことに加え、大人も虫歯菌を減らすことが大切です。2歳半までに感染しなければ、その後も虫歯になりにくいとされています。
2.食事やおやつは時間を決めて食べる
歯は、カルシウムが溶け、また歯に戻る脱灰と再石灰化を繰り返しています。しかし再石灰化には時間がかかるため、常にお菓子やジュースを食べたり飲んだりしていると、歯が溶け続けることになります。食事やおやつは時間を決め、食べた後には歯を磨く習慣をつけましょう。
3.唾液を増やす食事をする
口の中が酸性に傾くと、虫歯が進行しやすいため、中性にしてくれる唾液を増やすことが必要です。よく噛むことが唾液を増やしますので、食物繊維が多い野菜を食べるようにしましょう。
4.歯磨きにフロスを使う
子供の歯は歯ブラシだけでは十分に汚れを落とせません。歯の間などはフロスを使うようにしましょう。子供のうちは自分で上手に磨けませんので、大人が仕上げ磨きをしっかりしてあげることも必要です。また歯磨きが楽しくなるよう、話したり歌いながら磨く、お気に入りの歯ブラシを使うといった工夫も必要です。
5.定期的に歯医者に行く
正しい歯磨きの仕方を教えてもらうほか、フッ素を塗ってもらったり、奥歯の噛み合わせにシーラントという樹脂を入れて溝をうめることで虫歯の予防ができます。フッ素は定期的に塗ることが必要なので、虫歯の早期発見にもつながります。また虫歯菌の酸を防ぐキシリトールを歯医者さんで処方してもらい、使うのもおすすめです。
いつから歯磨きを始めるべき?方法は?
子供の歯磨きは、歯が生え始めたらすぐに始めましょう。
歯がまだ生えそろわないうちはガーゼを使う
歯茎が柔らかいので、ガーゼを湿らせて拭くことから始めるようにします。
子供が小さいうちは膝の上で横になってする
歯磨きよりも、まずは歯磨きになれることが必要なので、リラックスした状態になるように毎日時間を取ってするようにします。
興味を持たせる
自分で歯磨きができなくても、歯ブラシを口の中に入れて噛ませたり、触らせることで興味を持つようになります。
話しかけながらおこない、終わったらほめる
黙ったまま歯磨きをされることは、子供に恐怖心を抱かせてしまいますので、話しかけながらするようにしましょう。終わった後にほめることで、できたという自信と達成感が積み重なり、自分からするようになります。
親子で一緒に歯磨きをする
子供はもちろん、大人も歯磨きをしっかりしていること、その姿を子供に見せることが必要です。
毎日の歯磨きを習慣にすることで、丈夫なまま自分の歯を一生使い続けることができます。歯磨きの絵本などを使い、子供に興味を持たせながら予防をしていきましょう。
こちらの動画を見ながら歯磨きをするのもおすすめです。https://youtu.be/Wxsnr7knQqI