夏の風物詩のひとつでもある蚊取り線香。蚊取り線香を見かけると、もうすぐ夏が始まるな…と感じる方も多いのではないでしょうか。最近ではデング熱の影響もあり、1年中蚊には注意が必要となりましたね。
蚊取り線香以外にも蚊を退治できるいろいろなものがありますが、蚊取り線香が1番日本らしさを感じるアイテムではないでしょうか。蚊取り線香を入れる器も最近ではそれと感じさせないおしゃれなものも増えてきています。
でも気になるのが赤ちゃんや小さいお子さんがいるご家庭ですね。デリケートな赤ちゃんや小さいお子さんがいる部屋で、蚊取り線香を使っても害はないのか非常に気になるところです。そこで今回は赤ちゃんを蚊から守るため、蚊取り線香は使っても問題がないのかどうかに関してご紹介します。
赤ちゃんは蚊に刺されやすい?
赤ちゃんは大人と比べると蚊に刺されやすいです。
蚊は刺す対象を主に「二酸化炭素の量」「体温」「汗に含まれる成分」で判断しています。赤ちゃんは大人に比べて体温も高く汗もよくかきますし、呼吸も大人よりも回数が多いので当然二酸化炭素の量も増えます。
ですからどうしても蚊に狙われやすくなってしまいます。
蚊取り線香の有効範囲
昔から蚊から身を守るために使われてきた蚊取り線香。独特の香りがあって人によって香りの好き嫌いが分かれますが、この香りが落ち着くという方は意外と多いですね。
蚊取り線香は非常に効果が高いイメージがありますが、その効き目の範囲は約6畳の広さほどです。風などの影響を受けるので、締め切った部屋で使うのが最も効果的といえます。
蚊取り線香の煙には蚊に有効な成分が含まれています。もちろん目には見えませんが、あの独特の香りが蚊に有効な成分の証なので、蚊取り線香の香りがしている範囲は有効成分が届いているということになります。
効果の持続時間はメーカーによっても差がありますが、渦巻き状のものだと約7時間です。夜寝る前につければ朝まで効果が持続することになります。
蚊取り線香は蚊自体に効果があるのはもちろんですが、蚊が産卵しそうなところへ置くと産卵できなくなるので、蚊が発生すること自体を防ぐことができます。
蚊取り線香は赤ちゃんに有害?
蚊取り線香に含まれている蚊に有効な成分はアレスリンで通称除虫菊と呼ばれているものです。
アレスリンは人間にはもちろんのこと、犬や猫にも害はありません。人間には蚊取り線香の殺虫成分を分解できる細胞があるため、害が出ることはありません。もちろんこの殺虫成分を分解できる細胞は赤ちゃんからお年寄りまでちゃんともっています。
ですから赤ちゃんや妊婦さん、お年寄りがいる部屋でも安心して使うことができます。
そしてこの殺虫成分を分解する細胞は、人間だけではなく、ほとんどの哺乳類にもっていますから、犬や猫などのペットがいても心配いりません。
ですが、虫に対しては少なからず害がありますから、部屋でカブトムシなどの虫を飼っている場合は使わない方が良いでしょう。
赤ちゃんがいる家庭の蚊取り線香の使い方と注意点
赤ちゃんが蚊に刺されると、赤みが大人よりひどくなってしまうことが多く、掻き毟ってしまうことで「とびひ」を起こしてしまうこともあるのです。そのため、しっかり蚊の対策をしてあげることが大切です。
寝返りやハイハイがまだできない年齢の赤ちゃんと、ある程度動ける年齢の赤ちゃんでは、蚊取り線香の置き方が異なります。
自分で動くことができない赤ちゃんがいる部屋では煙が直接赤ちゃんに当たらないように工夫をして置けば問題ありません。
自分で動ける赤ちゃんはいろいろなものに興味津々ですから、蚊取り線香を触ってやけどをしてしまったり、蚊取り線香を落としてしまい火事になる可能性がありますので、赤ちゃんの手の届かないところに置くようにしましょう。
殺虫成分がどうしても気になってしまうという場合は、蚊取り線香の使用が終わった部屋(煙は出ていないけれども有効成分が空気中に残っている)に寝かせてあげると良いでしょう。
蚊取り線香以外での虫よけ対策
蚊取り線香以外での虫よけ方法でまず思い浮かぶのが、お肌に直接スプレーするタイプのものではないでしょうか。スプレータイプには、赤ちゃんが使用できるものもあります。
ただ、「ディート」という成分には注意が必要です。海外では規制されている成分で、乳幼児への使用には注意が必要な成分ですから、赤ちゃんへの使用は避けた方が無難でしょう。
アロマオイル
アロマオイルには虫が嫌がる香りのものがあります。
蚊に効果があるのが「レモングラス」や「ゼラニウム」ですから、アロマディフューザーやアロマランプなどを使いましょう。布に直接スプレーできるものもありますから、カーテンや赤ちゃんの衣類にスプレーすると効果的です。
虫よけシール
洋服にペタンと貼り付けるだけで蚊を寄せ付けなくしてくれる専用シールもあります。室内外問わずに使用できるので、赤ちゃんの手の届かない位置にペタッと貼ってあげましょう。
空間虫よけ
吊り下げるタイプと置き型タイプがありますが、吊り下げるタイプなら室内だけでなくベビーカーに取り付けることもできるので便利です。空間虫よけで注意したいのが「殺虫成分不使用」のものを選ぶことです。殺虫成分が配合されていないものなら赤ちゃんにも安心です。
蚊帳(かや)
蚊帳は昔のものというイメージが強いですが、今でも店舗に並んでいます。蚊帳のバリエーションもいろいろあってベビーベッド専用のものもあります。
蚊に刺されやすく、しかも刺されると大人よりも症状がひどくなることが多いため、しっかり蚊から守ってあげる必要があります。赤ちゃんでも安心して使えるアイテムはいろいろありますから、蚊取り線香が苦手という方は別のものを選んでも良いですね。