妊娠すると嬉しい半面、出産するまで
いろいろと心配や不安がつきまといます。
妊娠初期のつわりなどの体のつらい症状が治まり、
マタニティライフを楽しもうと思っている
矢先に心配なこともいろいろとあります。
その一つが「切迫早産」です。
切迫早産という言葉は、誰でも1度くらいは聞いたことが
あるのではないでしょうか。
切迫早産は特別な方だけが診断を受けるわけではなく、
誰でも切迫早産になる切迫早産予備軍なんです。
そんな妊婦さんにとって非常に身近な切迫早産についてご紹介します。
切迫早産とは
切迫早産を早産と同じようなものだと
誤解している方も多くいらっしゃいますが
切迫早産と早産は全く別物です。
早産とは妊娠22週~37週未満に出産することを言います。
切迫早産とは早産が迫ってきている状態のことです。
いわゆる早産の一歩手前です。
切迫早産の原因
切迫早産になってしまう原因はいくつか考えられます。
*絨毛羊膜炎
*子宮筋腫
*子宮奇形
*多胎妊娠
*頚管無力症
こういったことが切迫早産の原因とされています。
こういったいくつか考えられる原因の中で
1番多いのが絨毛羊膜炎です。
絨毛羊膜炎とは感染症の一つで、
赤ちゃんを包んでいる絨毛膜と羊膜に炎症が起こる病気です。
妊娠中期でかかりやすい病気です。
絨毛羊膜炎の原因としては考えられるのは
膣内の自浄作用の低下とされています。
膣内の自浄作用が低下することによって
細菌感染を起こし、膣炎や子宮頚管炎などが起こり、
それが絨毛膜や羊膜にまで及んで炎症を起こしてしまうんです。
ほとんどの方は絨毛羊膜炎にかかっても自覚症状がありません。
絨毛羊膜炎を予防するには、
規則正しい生活や栄養バランスのとれた食事で
免疫力をあげて抵抗力をつけて、
膣内の自浄作用が低下しないように
体調を整えることが大切です。
切迫早産の症状
切迫早産の症状はお腹の張りと痛みです。
定期的にお腹が張って、
安静にしていても治らない場合や、
お腹の張りに合わせて痛みが出ます。
他にも不正出血や破水してしまうこともあります。
こういった症状を感じたらすぐに病院を受診しましょう。
切迫早産と診断されたら
病院で切迫早産と診断されたらとにかく安静が基本です。
正産期より前に生まれてしまう早産は
早ければ早いほど赤ちゃんに
障害が残ってしまったり死亡してしまう
リスクが高くなってしまいます。
1日でも長くお腹の中で成長させるため、
安静にして妊娠状態を長くします。
自宅安静の場合は、
トイレや食事以外は安静にしているのがベストです。
もちろんお風呂も入ることは避け、
体を拭く程度にしなければなりません。
症状が改善されてくると
お風呂に入ることも許可されます。
安静に加えてウテメリンなどの内服薬を
飲む必要もあります。
症状が収まらない場合には点滴治療が必要になり、
入院しなければならなくなります。
出血がある場合は必ず入院となります。
切迫早産での入院で多くの場合は、
治療薬と点滴での治療になりますが、
場合によっては手術の必要もあります。
切迫早産で行う手術は
「子宮頚管縫縮術」というものです。
これは開きかけている子宮口を
手術で縛ってしまうというものです。
内子宮口を縛るシロッカー手術と、
子宮頚管内部を縛るマクドナルド手術の2種類があり、
子宮口の状態により、医師が判断します。
切迫早産治療の入院期間
切迫早産と診断され、入院が必要となった場合には
入院期間が気になるところですが、
症状の重さによって違ってきます。
症状が比較的軽い方の場合は1週間程度で
退院できることもありますが、
切迫早産は基本的に長期入院が必要となる症状です。
2ヶ月~3ヶ月程度の入院期間が必要な場合が多く、
症状が重い方の場合は正産期に入るまで入院が必要なことも。
切迫早産と診断され入院した場合、
退院したからといって無理は禁物です。
赤ちゃんを守ることを第一優先に
考えなければなりませんから、家事は手抜きで大丈夫です。
家族の方の協力を得ながら安静に過ごすようにしましょう。
特に他に小さなお子さんが居る場合は
安静に過ごすことはなかなか難しいものです。
ご主人だけでなく、
実家の両親や義両親の助けも借りながら
ゆったりと過ごしましょう。
安静が解除されれば、少しずつ家事などに取り組みましょう。
安静状態が続いたあとなので
いきなり以前と同じように動いてしまうと体力が追いつきません。
仕事をしていた人は職場に戻りたいという気持ちはあっても
基本的にお休みするのが良いでしょう。
切迫早産をしっかり予防しよう
切迫早産になってしまうと、
通常のマタニティライフを満喫することができなくなってしまいます。
切迫早産を予防するためには
栄養バランスを意識した食生活や睡眠、
体を冷やさないことが大切です。
最近は出産直前まで
仕事を続ける女性も増えていますが、
無理のない範囲に仕事量を調節してもらいましょう。
また切迫早産の原因で多い
絨毛羊膜炎を予防することも、
切迫早産を予防することにつながります。
なるべく心身ともに負担をかけないよう
リラックスしたマタニティ生活を満喫しましょう。