多くの妊婦さんが妊娠中の腰痛を訴えています。
妊娠するとどうして腰が痛くなってしまうのでしょうか。
腰痛の時期には個人差がありますが、
お腹の目立たない妊娠初期から出産前までの長期間、
腰痛に悩まされる妊婦さんも多いです。
症状も個人差がありますが、
歩くのが辛かったり、横になるのが辛かったり、
寝返りを打つのが辛かったりします。
そんな辛い妊婦さんの腰痛の原因と
上手な解消法をご紹介します。
妊婦さんが腰痛になるワケ
妊婦さんが腰痛になる原因は、妊娠初期と後期で違います。
妊娠初期はお腹もほとんど目立たない時期ですから、
お腹の重みで痛くなるということはありません。
妊娠初期の腰痛の原因は、
「リラキシン」という卵巣ホルモンの一種が
分泌されるために起こります。
このリラキシンというホルモンは、
出産に向けて靭帯・関節、つまり骨盤を緩める役割を持っています。
骨盤を緩めるのは赤ちゃんが産道を通りやすくするためです。
ですが、骨盤が緩んでしまうと、他の部位の筋肉で支える必要があり、
それが腰やお尻の筋肉なんです。
ですから、お腹の目立たない妊娠初期でも腰痛が起こるんです。
妊娠後期で起こる腰痛は、
妊娠中の妊婦さんの体重の変化と
お腹の重みを支えるために起こります。
どうしても妊娠後期になるとお腹の重みで姿勢が前傾になります。
前に傾いた姿勢を真っ直ぐにするため
後ろ側に体を傾けてバランスを取ろうとしますから、
どうしても背中や腰に負担が
かかってしまい腰痛が起こるんです。
腰痛種類
妊娠中の腰痛には3つの種類があります。
1.恥骨結合機能不全
これは出産に向けて、
骨盤が広がることで起こる腰痛で、
妊娠15週~28週くらいの期間に起こってきます。
腰だけでなく、足の付け根や
太ももなどの比較的広い範囲で痛みを感じます。
イスから立ち上がったり、階段の上り下り、
寝返りなどが辛くなってしまいます。
2.仙腸関節痛
この腰痛は、症状が出る妊婦さんは
全体の約20%くらいとあまり多くはありません。
妊娠中の体重増加や姿勢の変化で
仙腸関節に負担がかかるのが原因です。
仙腸骨や骨盤周りに痛みを感じ、
立ったり座ったりなどの動作で痛みを強く感じます。
仙腸関節痛の場合は、
横になっていると痛みは治まってきます。
3.腰椎および仙骨痛
妊娠中の姿勢の変化が原因で起こる腰痛です。
腰の中央辺りに鈍痛だったり、刺すような痛みを感じます。
腰痛の種類によっては、
出産後もしばらく痛みが取れないケースもありますよ。
おすすめの腰痛改善法
妊娠中の腰痛を改善するためには、
体に負担のないストレッチがおすすめです。
ストレッチは体が温まっている
お風呂上がりにするのが効果的ですよ。
1日にたくさんストレッチをして
数日ストレッチを休むというやり方より、
少しの時間でも良いので、毎日続けることが腰痛には効果的です。
妊婦さんの腰痛に効果があるおすすめのストレッチをご紹介します。
まず、仰向けに寝転がって両膝をくっつけて立てます。
そのままゆっくりしたスピードで左右に倒しします。
足を倒したら、自分が気持ちいいと感じるところで
5秒ほどキープし、反対側も同じように行います。
10往復を1セットとして、毎日1セット行うようにしましょう。
ストレッチをしている間は息を止めずにゆったりと呼吸しましょう。
他にも妊婦さんの腰痛改善におすすめのストレッチはいろいろあります。
いろいろなストレッチを試して、自分に合ったものを見つけましょう。
妊娠中こそ入浴が大事
妊婦さんの腰痛は体が冷えることで
症状が悪化することもあります。
体が冷えると血行が悪くなりますから
もちろん赤ちゃんにもよくありません。
基本的には毎日しっかり湯舟に浸かって、
体を温め血行を良くすることが大切です。
湯船に浸かることは、
体を温めたり血行を良くしたりする以外に
リラックス効果もありますから、
不安の多い妊婦さんにはおすすめです。
このときのお湯はぬるめが良いですよ。
妊娠中の整体治療
お風呂にゆっくり浸かったり、
ストレッチをしても腰痛がなかなか改善できずに
日常生活に支障が出るという人もいます。
そんな場合に利用したくなるのが整体治療ではないでしょうか。
妊娠中の整体治療は決してNGというわけではありません。
ただし、必ず妊娠中であるということを伝えなければなりません。
医院によっては、万が一を考えて治療を断られてしまう場合もあります。
また、痛みが強い場合は湿布なども利用したくなりますが、
湿布の成分には妊婦さんは控えたほうが良いものもあります。
湿布を使用したい場合は
ドラッグストアで購入するのではなく産婦人科で処方してもらいましょう。
腰痛におすすめの眠り方
腰痛の場合、腰に負担のかからない
リラックスできる眠り方をしましょう。
腰痛に効果がある眠り方は、
痛みのある方を上にして横向きに寝るという方法です。
妊娠中仰向けで寝ると
お腹の重みで血液循環が上手くいかず
気分が悪くなる場合もあります。
夜寝るときだけでなく、ちょっと横になりたいときにも
この姿勢がおすすめです。
日常生活にも支障が出る腰痛によって
ストレスを感じることもありますが妊娠中にストレスは厳禁です。
ストレスを感じると、筋肉が緊張し硬くなりますから
楽な姿勢やストレッチ、入浴でしっかりリラックスして、
赤ちゃんの誕生を待ちましょう。