妊婦さんも温泉OK!入浴時の注意点や温泉の効果について

 

出産する前に旦那さんと二人きりの時間を楽しもうと
旅行に出かける妊婦さんは多いのではないでしょうか。

のんびりとした旅行といえばやはり温泉ですが、
妊婦が温泉に入っていいのか不安になる人や、
実際に「妊娠中に温泉なんて!」と
言われたことのある人もいるかもしれません。

でも、妊娠中に温泉がダメと言われていたのは誤りだったんです。

いくつかの注意点さえ守れば、
温泉は妊婦さんの旅行先として最適なんですよ。

今回は、妊婦さんが温泉に入る時の注意点や
うれしい効果についてまとめました。

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かつて妊娠中に温泉はダメと言われていた理由

1982年に環境省が定めた「温泉施設に関する注意書きと効能」に、
「妊娠中の温泉への入浴は避けるべき」という項目がありました。

そのため、温泉の成分や注意事項を掲示する義務のある温泉施設などは、
温泉への入浴で身体に悪影響を及ぼす恐れがある「禁忌症」の一つとして、
心臓病や貧血とともに「妊娠中」を並べ、注意を促していました。

これが「妊娠中に温泉はダメ」と言われていた理由です。

ところが、実はこれには医学的根拠はまったくありませんでした。

2014年1月には32年振りに注意書きや効能の内容が見直され、
温泉が胎児と妊婦に与える危険性は確認されていないことなどから、
禁忌症から「妊娠中」を削除する方針が決まりました。

妊婦さんも温泉OK!入浴時の注意点や温泉の効果について

 

妊婦さんが温泉に入る時に気をつける事

ただし、禁忌症から項目が削除された=温泉への入浴は安全
と考えるのは早計です。

妊婦さんとお腹の赤ちゃんの安全のため、
温泉に入るときには気をつけなければならない事がいくつかあります。

1.清潔な温泉を利用する

最近の温泉施設の多くは清潔に保たれているため、
感染症の恐れは低いと考えられています。

でも、毎年のようにレジオネラ肺炎を引き起こす
レジオネラ菌への感染が確認されており、
死者も出ているというのもまた事実です。

特に、ジャグジー・打たせ湯・気泡発生装置などが
設置されている浴槽内でレジオネラ菌が発生した場合、
空気中に舞い上がったレジオネラ菌を
吸い込んでしまう恐れがあります。

レジオネラ菌は60℃以上の高温では5分以内に死滅しますので、
貯湯槽の水温が60℃以上の温泉を選ぶようにしましょう。

また、妊娠後期に妊婦がヘルペスに感染した場合、
生まれた赤ちゃんが新生児ヘルペスになる恐れがあります。

新生児は抵抗力がなく、抗ウィルス薬の投薬を行っても死亡してしまったり、
重度の障害が残ってしまう可能性があります。

妊婦のヘルペスへの感染経路としては、肌が直接触れる座いすや施設のタオル、
脱衣所の服置き場などが考えられます。

できるかぎり、温泉の付帯設備は使用しないようにしましょう。

2.長時間の入浴は避ける

妊娠中は普段よりのぼせやすくなっていますので、長湯は厳禁です。

妊婦さんはもちろんのこと、お腹の赤ちゃんものぼせてしまいます。

1回の入浴は長くても10分以内とし、お風呂上がりには
必ず水分補給をするようにしましょう。

また、42℃以上の高温や30℃以下の低温では
血圧が急上昇または急低下し、
目眩や脳貧血を起こしやすくなったり、
頭痛、悪寒、吐き気などの症状が出ることがあります。

特に冬場などは、自宅のお風呂でも高温のお湯に急に浸かると
気分が悪くなってしまうことがありますが、

妊娠中はそういった症状も出やすくなっているんです。

もちろん、サウナや水風呂は絶対に入ってはいけません。

3.刺激の強い温泉は避け単純温泉に入る

肌への刺激を避けるため、硫黄などの成分が強過ぎる温泉は避け、
刺激の少ない「弱アルカリ性単純泉」などの単純温泉を選びましょう。

敏感肌の人は妊娠中は普段以上に肌が敏感になっていることがあります。

肌に異常を感じた場合は、すぐに洗い流してください。

4.転倒に注意

温泉の浴室や脱衣所は、温泉の成分で大変滑りやすくなっています。

転倒は流産など最悪のリスクに繋がります。

できるだけ手すりのついた浴槽を利用し、浴室内もゆっくりと歩きましょう。

妊娠後期は体のバランスも取り辛いので、特に慎重になる必要があります。

家族風呂が利用できるのであれば、旦那さんと一緒に入浴すると安心です。

5.妊娠初期と臨月は避ける

流産のリスクが高く長距離の移動などが体への負担になる妊娠初期や、
突然の陣痛や破水といった恐れのある臨月は、
温泉は避けましょう。

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妊娠中の温泉でうれしい効果

1.マタニティブルーの解消や心身のケアに有効

温泉に行きたい理由といえば、やはりリラックスやストレスの解消
ではないでしょうか。

妊娠中に理由もないのに悲しくなったり
不安になって眠れなくなってしまうマタニティブルーは、
妊婦さんの8割りが経験すると言われています。

温泉への入浴で副交感神経が刺激されることで
精神が安定し、マタニティブルーの改善が期待できます。

また、血流を促進し代謝が改善することで
疲労やストレスも解消され、妊婦さんの不安定な心身を
しっかりとリフレッシュさせてくれます。

2.冷えの対策に有効

冷えは難産のリスクまで高める妊婦の大敵でありながら、
非常に起こりやすいトラブルでもあります。

温泉でじっくりと全身を温めることで血行を促進し、
冷えを改善しましょう。

冷えの改善には足湯も効果的で、
バランスの取りにくい妊娠後期の妊婦さんでも
安心して利用できるのでおすすめです。

妊婦さんも温泉OK!入浴時の注意点や温泉の効果について

 

マタニティプランのある温泉宿が増えている

妊娠中が温泉への入浴の禁忌症から削除されることが決定して以来、
マタニティプランを用意している温泉・旅館が増えています。

もちろん、事前に貸切風呂の有無や使いやすさを確認したり、
予め妊婦であることを伝えて配慮してもらうことも可能です。

でも、より妊婦さんの安全と快適を考えるのであれば、
ぜひ「マタニティプラン」のある温泉を選びましょう。

マタニティプランの内容は温泉により異なりますが、

・マタニティウェアの用意がある

・急な体調の変化でキャンセルしてもキャンセル料が取られない

・快眠グッズの用意や、枕を多めに用意してくれる

・記念写真撮影や安産のお守りプレゼント

・妊婦さんに配慮した飲食物や料理の提供

など、妊婦さんに嬉しいサービスが用意されています。

時期や温泉の温度や成分、感染症に注意すれば、
妊娠中であっても温泉を楽しむことができます。

子育てで忙しくなる前に、旦那さんや女友達との思い出作りを兼ねて
温泉で心と身体をリフレッシュさせて、妊娠生活を楽しんでくださいね。