妊娠中、特に妊娠後期は眠りが浅くなったり、
寝付きが悪くなってしまう妊婦さんが多いです。
ただでさえ体が重たくて日常生活にも
体力を使うのに、
安眠することもできないというのは、
とてもストレスがたまりますよね。
今回は、ゆっくりと体を休めて
安眠することができ、
低血圧も防げる妊婦さんに絶対おすすめの
「シムスの姿勢」をご紹介します。
睡眠不足による胎児への影響は？
ゆっくり眠ることができず、
このままではお腹の赤ちゃんにも
悪影響があるのでは……
と不安になってしまうお母さんも
いらっしゃるかもしれません。
でも、お腹の赤ちゃんは昼夜に関係なく
一定の間隔で睡眠をとっているので、
お母さんの睡眠時間が短いことが
直接赤ちゃんの成長に影響を与えることは
基本的にありません。
ですが、睡眠不足が続くと
自律神経やホルモンのバランスが崩れやすくなり、
周産期のトラブルのリスクが高まります。
また、睡眠不足でお母さんに
ストレスがかかったり、
体調を崩してしまうと、
赤ちゃんの成長に必要なエネルギーを
十分に送れなくなってしまうこともあります。
しっかりと睡眠をとることは
お母さんにも赤ちゃんにも
大切だと言えるでしょう。
シムスの姿勢とは
シムスの姿勢（またはシムズの姿勢）とは、
19世紀にイギリスの産婦人科医
J・マリオン・シムズが提唱したものです。
片膝を曲げた状態で横になる、
うつ伏せと横向きの中間くらいの姿勢です。
医療現場や看護現場では「半腹臥位」と言われ、
こん睡状態の患者の気道確保や直腸の検査、
褥瘡予防など様々な場面で用いられています。
妊娠中期以降の妊婦さんにとっては、
シムスの姿勢をとることで
血液の循環がよくなり、
リラックスして体を休めることができる姿勢
であることも知られており、
産婦人科などでも紹介されています。
なぜ楽なのか
人間の体の左側には大動脈、
右側には大静脈が通っています。
妊娠中期以降に寝苦しさを感じてしまうのは、
羊水や赤ちゃんの体重で重たくなったお腹が
大静脈や静脈付近の血管やリンパ管を
圧迫してしまうことが原因です。
血液の循環が悪くなると、
低血圧やむくみ、めまいを
引き起こすこともあります。
でも体の左側を通っている大動脈は、
大静脈より弾力性があるため、
大きなお腹が上に乗っていても平気なんです。
左側を下にしてシムスの姿勢をとると、
大静脈などを圧迫することがないので、
血液の循環が良くなります。
血液の循環が良くなると、
赤ちゃんへ栄養や酸素を
スムーズに送ることができるようになり、
お母さんも寝付きがよくなり
安眠もしやすくなって腰痛や低血圧、
むくみも防ぐことができるんです。
引用：http://xn--xcke0j311k.com/simusui/simusiyarikata.html
様々な場面で有効なシムスの姿勢
シムスの姿勢はもっとも体の力を
抜きやすい姿勢であるため、
眠るとき以外にも様々な場面で有効です。
低血圧やむくみ、めまいの防止はすでにご紹介しましたが、
陣痛のときにも、陣痛と陣痛の間に
シムス姿勢をとって体を休めることで
リラックスできると言われています。
また、お腹が張っているときにも
シムスの姿勢は効果があり、
妊娠初期の妊婦さんのつわり軽減にも
有効だと言われています。
シムス姿勢は、あらゆる妊娠期の
妊婦さんの辛さを軽減してくれる
万能の姿勢なんです。
引用：http://xn--xcke0j311k.com/simusui/simusiyarikata.html
正しいシムスの姿勢のとり方
正しいシムスの姿勢のとり方は次の通りです。
1．左側を下にして、ややうつ伏せ気味に横になる
2．左足を少し後ろに下げる
3．右足を少し前に出し、膝を曲げる
4．左手を後ろに回し、うつ伏せに近い姿勢をとる
左手を曲げて枕のように頭の下に置いても良い
5．右手は前の方に置く
シムスの姿勢はうつ伏せ寝と横向き寝の
中間のような姿勢です。
上半身はうつ伏せ、下半身は横向き
というイメージで行ってください。
引用：http://xn--xcke0j311k.com/simusui/simusiyarikata.html
一緒に使いたいおすすめアイテム
シムスの姿勢がしっくり来なかったり、
腕が痺れたりしてむしろ辛いという方は、
高さや手足の曲げ方が合っていない
可能性があります。
そんなときは、抱き枕を一緒に使うことを
おすすめします。
抱き枕に抱きついて横になることで、
シムスの姿勢を楽にとることが
できるようになります。
妊婦用の抱き枕も市販されていますし、
最近では産後は授乳クッションとしてなど
赤ちゃんにも使える抱き枕もたくさんあります。
抱き枕がない場合は、
普通のクッションや毛布、
枕などを利用しましょう。
お腹の下に敷いたり足の間に挟んだり、
頭から足まで体の色々な部分の
高さや曲げ具合を自分に合うように
調整してくださいね。
お腹が大きくなるにつれ、
楽な姿勢も少しずつ変わってきます。
前は楽だったのに最近辛く感じるようであれば、
その都度高さや曲げ具合を見直すようにしましょう。
特に臨月の妊婦さんは胃が圧迫されるので、
枕を重ねて上半身が少し高くなるようにすると
楽になりますよ。
足がむくんでいる妊婦さんは、
足が少し高くなるように、
足の下にクッションを置くと良いです。
引用：http://xn--xcke0j311k.com/simusui/simusiyarikata.html
シムスの姿勢で快適なマタニティーライフを送ろう
妊娠中はお腹が大きくなってくるにつれ、
低血圧で気分が悪くなったり、
好きな体勢で眠ることもできなくなり、
ストレスが溜まりますよね。
そんな妊婦さんこそ、
全身の力を抜いてリラックスできる
シムスの姿勢をぜひ試してみてください。
眠るとき以外にも、
「ちょっとしんどいな」と感じた時に、
少しの時間だけでもシムスの姿勢で
休息をとることで体が楽になります。
自分が一番楽になれるシムスの姿勢を見つけて、
心身をリラックスさせ、
快適なマタニティーライフを送りましょう。
