つわりを経験する妊婦さんは多くいらっしゃるわけですが、つわりは妊娠を自覚し始める初期の段階で起こるため、特に初産婦さんにとっては「辛くて不安」という心持ちではないでしょうか。
個人差はあるとはいえ、これまで多くの妊婦さんが乗り切ってきたことですので、先輩のアドバイスはいろいろと役に立つものです。
今回はつわりの終了にスポットを当てて、その時の様子や注意していきたいことなどを見ていきたいと思います。
つわりが起こるのはなぜ?
つわりは、妊娠5~6週頃からあらわれる、吐き気や食欲不振、食嗜好の変化などの兆候を総称したものです。
「これがつわり?」といった軽度で済んでしまう場合もありますが、反対に一日に数回苦痛を伴うような吐き気と闘うなど非常に重い症状の方もおられます。一口に「つわり」と言っても、さまざまなのです。
つわりが起こる原因は全容が解明されていませんが、有力な説としては、妊娠初期の急激なホルモン環境の変化が大きく影響しているのではないかと考えられています。また代謝の状況も変わってきたり、環境も変化してきたりしますので、心では妊娠に適応しようとしていても身体がついていかず、そこで起こるアンバランスが影響しているものと考えられています。
重症な場合は大変な苦痛であると思いますが、ホルモンバランスなどはだんだんと整ってくるものですので、多くの場合終わりは来ます。
つわりはいつ頃終わるの?
つわりは、妊娠12~16週くらいで、ほとんどなくなってきます。この頃は母体がちょうど安定期に入ってくる頃です。
まれにつわりが妊娠後期まで続く場合もあります。胎児が大きくなってくることで子宮が臓器を圧迫するようになり、その影響で気持ちが悪い状態が継続するような場合です。
不安を抱えたままでは良くありませんので、医師に相談して安心することも大切ですが、つわりがいつまでも続くからと言って、「自分は異常ではないか」などと悩む必要はありません。
つわりの終わり方は?
つわりの症状や重さがまちまちであるのと同様、つわりの終わり方も人それぞれです。
徐々に終わっていくパターン
だんだんと体調が良くなってきて、少しずつ症状がなくなっていき、気づいたら「そういえば最近、楽」といった終わり方。
突然終わるパターン
昨日までのつわりが嘘のように、スッキリするパターンの方もいらっしゃいます。このパターンも決して少数派ではありませんが、妊娠中は体調の変化に敏感でいたいもの。
特につわりは妊娠継続との関連があります。つまり、流産によってつわりがなくなるということも考えられるのです。つわりだけで判断することはできませんので、不安を感じるようであれば、医師の診断を仰ぎましょう。
繰り返しの後に終わるパターン
少しおさまってきたと思ったらぶり返し、また少し軽くなって…という繰り返しをした後に終わるパターン。「本当に、つわりがおさまる日は来るのだろうか」と少しめげてしまいそうですが、もう少しの辛抱です。
この時期、少し良いからと身体を動かし過ぎてしまってつわりをぶり返すということもあるので、身体をいたわりながら過ごすと良いでしょう。
終わった後の注意点
つわりがひどかった方は特に、生活に不便が生じ、今までやれていたようなことにも支障をきたす日々が続いてしまったのではないでしょうか。「つわりさえ終わったら」などと思っていると、つわりの終了とともに、いろいろとやっておきたくなるものです。
しかし身体ではどんどん胎児が成長していきますから、あくまでも身体を大切に、慎重に過ごしましょう。
慎重に行いたいのは、食事も同様です。これまで食べられなかった分を取り返すがごとく、暴飲暴食をするようなことのないように。急な食事量の増加は、胃腸に負担もかかりますし、急激な体重増加となりやすく、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病につながりかねません。
まとめ
妊娠・出産・子育ては、〇週目という区切りで考えることも多いので、つい「他の人はこの時期どうだったんだろう」と比較してしまうことでしょう。
そういったデータが参考になることもたくさんありますが、やはり人間は生物ですので、どの人も横並びで同じようにというわけにはいきません。つわりの症状、重さ、時期、継続期間、終了時期などもそうです。
周りを見て、「辛いのは自分だけではない」と元気を出すのは良いことですが、くれぐれも「私だけこんなに辛いなんて、どこかおかしいのではないか」とマイナス思考にならないこと。
つわり中にはなかなか難しいかもしれませんが、お母さんが穏やかであることは、赤ちゃんにとっても幸せなことですよ。