妊娠が分かって嬉しいのもつかの間、多くの女性がつわりに悩まされます。ひどい場合は入院が必要になることも。今回はつわりの症状や時期、乗り切り方についてご紹介していきます。妊娠中の方はもちろん、妊活中の方もぜひ参考にしてくださいね。
つわりの主な症状
吐きづわり
大半の女性が経験するつわりの症状です。嘔吐がなく吐き気だけで終わる場合と、1日に数回嘔吐してしまう場合があります。吐き気に関しても常に吐き気を感じる方と、時間帯で症状が変わる方と分かれます。嘔吐が激しく、体重が5キロ以上減少してしまった場合は注意が必要です。
吐きづわりが起こる原因はハッキリとは分かっていませんが、妊娠したことでホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れるのではないかと考えられています。
食べづわり
吐きづわりの反対が食べづわりで、常に口に食べ物を入れていないと気持ち悪くなるといった症状が特徴的です。吐き気はあるけれど特定の食べ物のみばかり急に食べたくなるといった症状も、人によって表れます。
食べづわりは妊娠によるホルモンバランスの変化で血糖値が下がりやすくなり、血糖値を補おうとすることで起こります。お腹の赤ちゃんを育てていくのにも多くのエネルギーが使われるので、身体が自然と食べ物を欲しがるようになると考えられています。食べすぎは体重増加につながるため、食べるものや食べる回数に十分注意しましょう。
眠りづわり
睡眠時間は十分にとっているはずなのに、何をしていても猛烈な眠気が襲ってくるのが特徴です。人によっては眠気を我慢しようとすると、立っていられないほどのめまいを感じ横にならないと治まらないといったこともあります。
仕事をしている場合は勤務中に眠気と戦わなければいけず、パッと見怠けているようにも見えるため理解されにくく周囲から誤解を受けやすいでしょう。
眠気づわりは妊娠初期に身体が胎盤を形成するために非常に大量のエネルギーを必要とするためと考えられています。胎盤の形成に集中できるよう極力ムダな動きを避けようと、身体が防衛反応を起こし強い眠気が生じます。
よだれづわり
よだれづわりはつわりの症状としてあまり浸透しておらず、通常よりもよだれの分泌が増えるのが特徴的です。自分のよだれの臭いや味に不快感を覚え、飲み込むのもつらくなります。
よだれには殺菌・消毒作用があり妊娠することで身体が外部からの刺激から守ろうとすることで、大量によだれが分泌されるようになります。
においづわり
妊娠中は嗅覚が今までよりも敏感になり、今まで平気だったにおいを急に受け付けなくなるという特徴があります。ご飯が炊きあがるにおいや揚げ物のにおい・石鹸のにおいなど受け付けなくなるにおいは人それぞれです。
においづわりは妊娠で増加したエストロゲンという女性ホルモンが原因で、においに敏感になることで起こります。動物は妊娠するとにおいに敏感になるという性質があり、人間も動物の一種なので嗅覚が敏感になるというわけですね。
つわりはいつまで続くの?
5~16週頃までが一般的
一般的に4~5週から始まり、12~16週にかけてつわりが治まってくるといわれています。つわりの時期には個人差がありおよそ1~2か月ほど続くのが大半です。
特に8~11週がつわりのピークといわれており、胎盤が完成しホルモンバランスが落ち着いてくる16週以降になるとつわりの症状が少しずつ治まってきます。この時期が安定期と呼ばれ、心身ともに落ち着いてきます。同時に食欲も増してくるため、体重管理には十分注意しましょうね。
つわりを経験しない場合もある
妊娠している女性の多くがつわりを経験しますが、中にはつわりを経験しない方も少数ですが存在します。反対に妊娠16週まではつわりの症状がなかったのに、妊娠後期に突然つわりが始まる方もいます。これは後期づわりと呼ばれ、大きくなった子宮に胃や腸が圧迫されることで起こります。
入院が必要な場合も…
つわりの症状は嘔吐期の第一期・肝腎障害期の第二期・脳障害期の第三期に医学的に分類されます。これらを妊娠悪阻と呼び、第三期では幻覚や幻聴・昏睡状態になることもあります。これらは重症妊娠悪阻と呼ばれ、妊娠している女性の0.1%~1%に該当し、入院が必要になります。
つわりで入院が必要と判断される目安は、
・水分や食事を全て受け付けることができない
・妊娠前、特に一週間で3キロ以上体重が減少している
・尿検査でケトン体の項目が陽性になる
症状の重さにより入院期間は異なり、軽度であれば数日~1週間、重症になると出産まで入院が必要になることも。
つわりの乗り切り方は?
無理せず横になる
妊娠中の女性の身体は日々変化していきます。ハッキリとは解明されていませんが、つわりは赤ちゃんが順調に成長していくために母体が無理をしないために起こると考えられています。
つわりは時間帯によって症状の重さが変わることが多く、体調が悪いときは無理をせずに横になって休むことが大切です。仕事をしている場合は、上司や職場の仲間につわりで体調が悪いことを伝え極力理解してもらうようにすることも忘れてはいけません。
食事は複数回に分ける
お腹の赤ちゃんの成長のために栄養バランスのとれた食事は必須です。しかしつわりで満足に食事ができない時期は栄養バランスよりも、自分が食べられるものを食べることが大切です。
一度に多くの量を食べると気分が悪くなってしまうことが多いため、食事は少量を複数回にわけてとるようにしましょう。脱水症状を避けるために、水分補給もこまめにすることを忘れないでください。
つわりが治まったら栄養バランスのとれた食事を心がけましょうね。
マスクを活用
においづわりの方におすすめなのが、マスクの利用です。マスクをすることでにおいを直接感じにくくなります。マスクは風邪予防にも非常に効果的なので、つわりにかぎらず人込みの中にいくときはマスクを着けて予防するようにしたいですね。
好きなことに集中して気を紛らわす
つわりの期間はつい、つわりで頭が占められ気にしすぎるあまりにつわりがひどくなるという方もいます。趣味や好きなことに集中したり、つわりが治まったら出産までに行いたいことを考えるなどして上手に気分転換して乗り越えていきましょうね。
家族にサポートしてもらう
つわりの間は家族の協力が不可欠です。特に初めての出産という方は、旦那さんに協力を求め、パパになるという自覚をしっかりと持ってもらいましょう。
実家が近ければつわりが辛い時期だけでも、実家を頼るのも良いでしょう。特に上にお子さんがいる場合は上のお子さんの面倒を見てもらうだけでも、ママはだいぶ楽になりますね。
つわりは個人差がありますが4~16週頃に経験する女性が大半です。つわりの時期は無理せず疲れたら横になったり、周りの家族にサポートしてもらいながら乗り切っていきましょう。お腹の赤ちゃんのためにも、ママができるだけリラックスして過ごようにしましょうね。