家族みんなが大好きな揚げ物。独特の香りとサクサクの衣が食欲をそそりますね。ご飯のおかずだけでなく、お弁当のおかずとしても人気の高い揚げ物ですが、揚げた後の油の処理が面倒ですね。頭を悩ませている方も多いと思います。水やお湯と同じようにシンクに流すというようなことはできません。今回は、そんな面倒な油の捨て方をご紹介します。
油を捨てる目安は？
揚げ物に使った大量の油。皆さんは何回くらい調理に使用したら捨てていますか？
「1度使ったら捨てる」という方もいれば、「真っ黒になってから」という方までいますね。油の価格を考えると、たった1度だけで捨てるというのは、やはりもったいないですよね。
油を捨てる目安としては、何回使ったかという回数ではなく、油の状態や揚げた食材などで判断するのが良いですよ。
油は1度使用すると酸化していき、油を置いている日数が経つごとに酸化はどんどん進んでいます。油が酸化することによって私たちの体に悪影響のある油へと変化してしまいます。
また揚げた食材によっては、油の中に食材の成分が溶けだし、油を劣化させたり汚してしまいます。お肉を揚げると油が黒くなってしまったという経験は誰にでもありますね。他にも臭いがついたり、粘度が上がったりということも出てきます。
このようなことから、揚げ物で使用した油は、回数で捨て時を判断するのではなく、油の状態や前回使用してからどのくらい日数が経っているかで判断しましょう。
基本的には、肉や魚介類や味のしっかりついたものなどを揚げた場合には、もったいないですが1度の使用で捨ててしまうのが良いでしょう。
油の適切な保存方法
揚げ物で使用する食材によっては、その後の調理に使い回せるものもあります。
まずは、揚げカスなどをしっかり取り除き、キッチンペーパーなどで濾しながらオイルポットなどの保存容器へ移しましょう。活性炭フィルターがついたオイルポットを使用すると、揚げ物油がきれいになるのでおすすめです。
オイルポットなどの保存容器に油を移したら、劣化を防ぐために冷蔵庫などの冷暗所で保存します。
揚げ物を頻繁にするならこういった活性炭フィルターのついたオイルポットを持っておくと経済的ですね。
きちんと保存しておいた油は次の揚げ物や、炒め物など普段の調理にも使用することができます。基本的にはできるだけ早く使い切るようにしましょう。
酸化した油の健康被害
酸化した油を使い続けることは健康に影響を与えます。
急性の症状としては下痢です。酸化した油を摂取することで、小腸の内壁をはがして下痢を起こすことで酸化した油を体外に排出させるという防御機能が働くために起こります。
このために、古くなって酸化が進んだ油を摂取しても、今すぐ人体に恐ろしい影響が出るというわけではありません。ですが、酸化した油はがんの原因になる可能性がありますから、健康のためにも極力新しい油を使用するようにした方が良いでしょう。
酸化しにくい油を使用する方法もあります。
おすすめはオリーブオイルです。オリーブオイルは酸化しにくいのと、健康に良いとされるオレイン酸がたっぷりと含まれています。大量に油を使用する揚げ物に使うのはもったいない気はしますが、健康面からはこちらがおすすめです。
最近では油を使用せずに揚げ物を作る機能がある家電製品もありますから、そういったものを利用したり、少量の油で揚げ物をする「揚げ焼き」で油の使用量を減らせます。
排水口に油を捨ててはいけない理由
面倒な油の処理はついついシンクの排水口に流してしまいたくなりますが、少量の油であっても排水口に流してはいけません。
その理由は、油は時間が経過すると冷えて固まり、排水管の内側に付着し、水が詰まってしまうからです。排水管に詰まらなかったとしても、川や海に流れ出て、そこに生きる生物に影響を与えてしまいます。
しかも下水処理施設の処理機能にも大きく影響を与えますから、税金が大量に使われてしまいます。
万が一誤って油をシンクの排水口に流したという場合には市販のパイプクリーナーを使って固まって付着してしまった油を取り除きましょう。最悪の場合には排水トラップを交換する必要が出てきますから、うっかり油を流すことがないように注意しましょう。
油の捨て方
油の捨て方には、
・布やキッチンペーパー、新聞紙に吸わせてビニール袋に入れて捨てる
・市販の油凝固剤で油を固めて捨てる
・牛乳パックに新聞紙を詰めて油を流し入れて、しっかり封をしてさらにビニール袋に入れて捨てる
などが主な捨て方です。
コストがかからないのが、市販品の油凝固剤で油を固めて捨てる以外の方法です。家にあるもので処理できます。
「リサイクルに出す」という方法も！
あまり知られてはいませんが、古くなった調理用油を専門の業者にリサイクルに出すという方法もあります。
引き取ってもらった使用済みの油は、その油を原料として車を走らせるエンジンや石鹸などに再利用されています。こういった油のリサイクル活動は全国で行われています。
油は精製して軽油の代替燃料と利用することができるようです。
リサイクルすることで、ごみを減量化がはかれますので、ぜひお住いの自治体での油のリサイクル活動に参加してみてはいかがでしょうか。
