妊活をがんばってもなかなか赤ちゃんが授からないと悩んでいる女性に多いのは「子宮内膜ポリープ」や「子宮内膜症」です。子宮内膜ポリープは子宮の中にできるポリープで、決して珍しいものではありません。小さいものを含めると今や女性の3人に1人ができているといわれているほどです。必ずしも摘出しなければならないというわけではありませんが、妊娠への影響が大きいのも事実。そこでここでは子宮内膜ポリープとはどういったものかを詳しく解説していきます。
子宮内膜ポリープとは?
子宮にできる子宮ポリープは「子宮内膜ポリープ」と「子宮頸管ポリープ」の2つです。
子宮内膜ポリープはその名前通り、子宮内膜に発生するポリープのことで、子宮頸管ポリープは子宮頚管のポリープのことです。
この2つのポリープは良性の腫瘍なので、子宮内膜ポリープも子宮頚管ポリープもガン化してしまう可能性はかなり低いです。
子宮内膜、つまり子宮の内側にある膜をさしますが、これが増殖してイボのような腫瘍になっている状態のものです。子宮内膜ポリープはキノコのような形状で、大きさは約1〜10cm超えくらい大きなものまで、できる個数にも様々です。
子宮内膜ポリープの形状はキノコのようで、10cmを超えるほど成長する場合もあり、そこまで大きくなると子宮口から出てしまいます。
子宮内膜ポリープの原因と症状
子宮内膜ポリープができる原因はいくつかあり、もっとも多いのが卵胞ホルモンの影響によるものです。
卵胞ホルモンとはいわゆる女性ホルモンとよばれるもので「エストロゲン」ともよばれています。
卵胞ホルモンの役割は、
・受精卵を着床しやすくするために子宮内膜を分厚くする
・自律神経を整え活発にする
・コラーゲンを増やす
・血流促進
・血管を若々しく保つ
・基礎体温を下げる
・女性らしい丸い体つきを作る・・・
女性にとって大切なホルモンだということがわかりますね。
その卵胞ホルモンが過剰に分泌されたり、もともと子宮内膜が卵胞ホルモンに対する感受性が強いと過剰な子宮内膜の増殖が起こります。そのためにポリープができます。
卵胞ホルモン以外にも炎症、出産、流産が原因でできるケースもあります。
子宮内膜ポリープには基本的に自覚症状はないので、産婦人科での検査によって発見されるケースがほとんどです。まれに生理の出血が多い、不正出血、生理痛が重くなった、貧血が起こるなどの症状がでることもあります。
最近貧血気味だったり以前より生理痛が重くなったなどの症状があるのであれば、子宮内膜ポリープだけでなく他の子宮の病気も考えられるため念のために検査を受けておくと安心です。
子宮内膜ポリープと不妊の関係
妊娠は、受精卵が子宮内膜に着床して成立するものです。
ところが子宮内膜ポリープがあると着床を邪魔するため妊娠しにくくなります。もちろん子宮内膜ポリープができていても妊娠する女性もいますから、子宮内膜ポリープ=妊娠できないわけではないのですが、着床の確率が下がることは確かだといえます。
妊活中に子宮内膜ポリープが見つかったなら、大きさや不妊期間により摘出をすすめられるケースも多いです。子宮内膜ポリープの摘出を行った方が妊娠確率が高くなったという報告もあるため、家族や医師とよく相談しましょう。
まずは産婦人科で検査を
子宮内膜ポリープができていても自覚症状がないことがほとんどなので、検査をしに産婦人科へ行ってみるという方は少ないでしょう。
ですが、子宮内膜ポリープは妊娠確率を下げることがわかっているので、なかなか赤ちゃんを授からないと悩んでいるなら産婦人科で検査をしてみてはいかがでしょうか。
不妊の原因ははっきりしないことも多いですが、子宮内膜ポリープが原因ということも考えられます。
子宮内膜ポリープ有無の検査方法は超音波検査で分かります。ただし、子宮内膜ポリープがある場所によって、子宮筋腫と見分けがつかない場合もあるため、そのときには子宮腔内に生理食塩水を注入し、超音波検査が行われます。
検査におすすめの期間は、子宮内膜が増殖する前である生理中もしくは生理直後です。
子宮内膜ポリープの手術とそれにかかる費用
子宮内膜ポリープの摘出手術は、内膜掻爬術と子宮鏡下内膜ポリープ手術です。薬物療法は有効ではないため、子宮内膜ポリープを除去するには手術が一般的です。
手術は入院せずに日帰りで出来ることがほとんどですが、場合により数日入院が必要なケースもあります。麻酔をして手術を行うのですが、ポリープの大きさや手術方法によって部分麻酔科全身麻酔かが選択されます。
子宮内膜ポリープの摘出手術は子宮鏡下内膜ポリープ手術が主流となっていて、膣から内視鏡を入れ、子宮の内部を見ながら専用器具を使ってポリープの根元を挟んで引き出します。
内膜掻爬術はピンセットに似た器具で子宮内膜を掻き出します。子宮内膜ポリープが多数できているときなどはこちらの手術を選択されることがほとんどです。
子宮内膜ポリープの手術は保険適用ですから、自己負担は4〜5万円ほどです。民間の医療保険に加入中なら、一度問い合わせをしてみましょう。保険金を受け取れるかもしれません。