授乳トラブルで多い!痛い乳腺炎の原因と対処法

 

授乳中のママなら一度は耳にするであろう「乳腺炎」。

その痛みは、一度経験したら二度となりたくない!と
思うくらい酷いもので、酷くなると38~40℃の高熱や
激しい寒気に襲われることもあります。

今回は、なぜ乳腺炎になってしまうのか?
そして、自分でできる乳腺炎の対処法をご紹介します。

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乳腺炎とは?

乳腺炎とは、
乳管が詰まって乳腺に母乳が溜まり、炎症を起こしてしまうことです。

乳管閉塞(乳汁うっ滞)

感染性乳腺炎(乳汁うっ滞性乳腺炎)

感染性乳腺炎(化膿性乳腺炎)

乳房膿瘍

と段階を追って進行しますが、
感染性乳腺炎は、授乳中にできたかみ傷から
細菌が入って感染することもあります。

乳腺炎の症状としては、
乳管閉塞(乳汁うっ滞)の段階では
・おっぱいの一部が痛い
・おっぱいの一部が赤くなる
・おっぱいの一部が熱を持ち、しこりができる
・乳頭に白い塊ができる
・腕を上げたり、赤ちゃんを抱っこするとおっぱいが痛む

といったものがあります。

症状が進むと、
・母乳が黄色や黄緑で、ドロドロしている
・全身がだるい(倦怠感)
・頭痛や寒気がする
・38℃を越える発熱
・おっぱい全体が張って、触らなくても痛む
・授乳すると激しく痛む
という症状になります。

母乳の味も悪くなるので、
赤ちゃんが嫌がって飲まなくなってしまうこともあります。

さらに悪化すると乳房膿瘍になり、
点滴治療や入院治療、切開排膿といった
処置が必要になる恐れもあります。

授乳トラブルで多い!痛い乳腺炎の原因と対処法

 

乳腺炎の原因とメカニズム

傷口からの感染でない場合、
乳腺炎の原因は次のようなものがあります。

・乳腺が細い
・赤ちゃんが上手く吸えなかったり、味が好きではなく母乳を飲み残している
・おっぱいが出過ぎている
・授乳の回数が少ない
・授乳間隔にばらつきがある
・授乳間隔の急激な変化
・姿勢が悪く胸が圧迫されている
・ブラジャーや抱っこ紐で胸が圧迫されている
・高脂肪、高カロリーな食事を摂っている
・疲労やストレス、冷え、栄養不足

こういった原因で、
母乳が通るトンネルである乳管に母乳が残っていたり
母乳の流れが悪くなったりすると、
だんだん母乳が詰まってドロドロになってしまいます。

その詰まった部分がしこりになり、
乳管閉塞(乳汁うっ滞)の状態になってしまうんです。

乳管閉塞(乳汁うっ滞)の状態は細菌に感染しやすく、
放っておくと感染性乳腺炎に進行してしまいます。

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乳腺炎になりやすい人

乳腺炎は、誰にでも起こるトラブルです。

授乳中のママの約2~3割が
乳腺炎の経験があるとも言われています。

特に、まだ乳腺の細い初産のママや
もともと乳腺が細い人に起こりやすく、
突然の断乳や卒乳で母乳が分泌されているのに出すことができず、
供給過剰に陥っているときにも発症します。

ほかにも、
・甘い食べ物や脂っぽい食べ物をよく食べる
・冷たいものをよく食べる(飲む)
・冷え性である
・中性脂肪が高い
・ストレスを溜めやすい
・いつも同じ姿勢で授乳している
・添い乳をしている
といった項目に当てはまる人は、要注意です。

冷えや食事の内容、授乳の姿勢などは
意識して変えることができるものです。

日頃から気を付けて、乳腺炎にならないようにしましょう。

授乳トラブルで多い!痛い乳腺炎の原因と対処法

 

乳腺炎になった場合の対処法

1.授乳の仕方を工夫する

乳腺炎は、分泌される母乳が外に出られずに
詰まってしまうことで起こるものなので、
一番の対策は赤ちゃんにどんどん飲んでもらうことです。

逆に、授乳を中止すると乳腺炎を悪化させる恐れがあります。

しこりのある部分と赤ちゃんの上唇が
一直線上になるように位置取りして、
しこりの乳首から一番遠い部分を軽く押しながら授乳しましょう。

このとき、しこりを強く押したり揉んだりしてはいけません。

片方のおっぱいだけを飲ませるのではなく、
左右バランスよく飲ませることも大切です。

乳腺炎になっているおっぱいから先に、
5分程度で左右を変えるようにしましょう。

乳腺炎の悪化や食生活の乱れから
母乳の味が悪くなって赤ちゃんがおっぱいを嫌がって
飲んでくれないときは、手で搾乳しましょう。

2.食事を見直す

和食中心の栄養バランスの良い食事を心掛けましょう。

特に、葉酸やカルシウム、ビタミンDを
多く含む食材を積極的に食べましょう。

じゃがいもやさつまいもなどの芋類や、
とうもろこしや大豆などの豆類といった主食になり得る食材は、
炭水化物が多く母乳がどんどん作られてしまうので
食べ過ぎに注意してください。

高カロリー・高脂肪の食事や、刺激の強いもの、柑橘類は
避けるようにしてください。

お味噌汁や熱いお茶など温かいものを飲むと
炎症を悪化させる恐れがあるため、
できるだけ飲まないようにしましょう。

血行促進効果のあるゴボウ茶は、乳腺炎にも効果的ですよ。

3.できるだけ圧迫しない

胸を圧迫すると母乳の流れが悪くなり、乳腺炎の原因になります。

産前に購入したブラジャーを使っている人は
改めてサイズを測り、自分にあった授乳ブラを使いましょう。

眠る時も、横向きに寝ると下になったおっぱいが圧迫されるので、
上を向いて眠るようにしましょう。

上を向いて眠ると腰が痛くなってしまう人は、
畳んだタオルを腰の下に敷いておくと楽になりますよ。

4.熱が出ている時は入浴しない

乳腺炎が進行して熱が出ている場合は、
入浴やマッサージで体を温めると
症状がさらに悪化する恐れがあります。

熱が出ているときの入浴は避けましょう。

5.ゆっくりと休養をとる

疲労やストレスは乳腺炎の大きな原因です。

家事などは家族や周りの人に協力してもらい、
ゆっくりと体を休めるようにしましょう。

頼れる人がいない場合は、何でも完璧にこなそうとせず、
適度に手を抜くことも大切です。

6.症状が重い時は病院へ

乳腺炎が悪化して高熱が出ていたり、おっぱい全体が腫れていたり、
何もしなくても胸が痛いようなときは、
病院を受診するようにしましょう。

赤ちゃんを出産した病院や、母乳外来のある病院がおすすめです。

授乳トラブルで多い!痛い乳腺炎の原因と対処法

 

乳腺炎を予防して快適な授乳ライフを

授乳中であれば誰にでも起こりうる乳腺炎。

授乳の仕方を工夫したり、
食生活や寝る時の体勢を見直したり、
ゆっくりと休養をとったりすることで解消することができます。

乳腺炎の対処法は、予防法でもあります。

乳腺炎が治った人も、まだ乳腺炎にはなったことのない人も、
しっかりと予防をしてママと赤ちゃんの快適な授乳ライフを
楽しみましょう。